漂着ゴミの正体

こんにちは。オールビーチズの運営チームの佐藤佳奈です。

今日は、私たちが拾う海洋ゴミの中身について書きたいと思います。
海洋ゴミは、「漂着ゴミ」「漂流ゴミ」「海底ゴミ」に分けられますが、私たちが拾うのは海岸にたどり着いている漂着ゴミ。ビーチクリーンをしていると、本当にいろんな漂着ゴミを見ます。細かくなりすぎている破片については、元の姿がわからないものも多いのですが、種類で言うと日常生活で使用するプラスチックゴミのほとんどのものが海岸で見ることができるそうです。

 

漂着ゴミの種類

2015年から5年間行われた環境省の「漂着ごみ実態把握調査」(*1)では、清掃頻度が少ない全国の海岸28地点で、漂着ゴミの量や種類などが調べられています。この調査から、人工物の漂着ゴミの大多数が、日常生活で使用するプラスチックであることがわかっています。

▼*1参照:海洋ごみ実態把握調査とりまとめ
http://www.env.go.jp/water/marirne_litter/c02_16_shiryo01-1sankou2.r1.pdf

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ペットボトルは急激に増えた漂着ゴミ

ペットボトル(特に2L未満のサイズ)は、個数ベースと重量ベースの両方でランクインしています。国内では1996年に清涼飲料水メーカーの小型PET自主規制が廃止されたことにより、ペットボトルの大量消費が始まり、その頃から急激に増えた漂着ゴミの一つです。

実は私もビーチクリーンを始める前は、よくペットボトル飲料を買ってしまっていました(ごめんなさい)。ちなみに少し前まで「ペットボトルはリサイクルされているから大丈夫では」とも思っていました。実際に日本のリサイクル率は年々上昇し、2019年で85.8%で世界最高水準と言われています(*2)。また、回収率は93.0%です。
しかし、日本の年間のペットボトルの販売数はなんと2019年で245億本(*2)。つまりおよそ17.2億本は回収できていない計算になり、その中から海へ流れていくものがあるのです。

*2参照・引用:PETボトルリサイクル推進協議会「PETボトルリサイクル年次報告書2020」
https://www.petbottle-rec.gr.jp/nenji/2020/
(リンク先にペットボトルの正しい捨て方も載っているので、ぜひ見てみてください!)


▼ペットボトル回収率の推移
https://www.petbottle-rec.gr.jp/data/transition.html

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軽いプラスチックは国境を超える

環境省の「漂着ごみ実態把握調査」では、ペットボトルとキャップの言語表記の割合も調査されています。それによると、太平洋側の海岸(黒潮下流と親潮流域)では日本語表記がほとんどで、日本海側の海岸(対馬暖流上流)や奄美諸島〜沖縄周辺の海岸(黒潮上流)では他国のものが半分以上を占めているそうです。一度流出してしまうと海流に乗って遠くに運ばれてしまう軽いプラスチックは、他国から日本に来るのと同様に、日本から他国へも流れていっていると考えられます。他国のビーチで日本語のキャップがたくさんみられたら、それはとても悲しいことだと思います。

私たちがビーチクリーンで拾う人工物の「漂着ゴミ」は、ペットボトルや荷造りに使うロープ・テープ、プラ製食器・容器など、私たちが日常で使用している使い捨てのプラスチックばかりです。私も、少しでも使い捨てのプラスチックを減らしていけるように、今一度日々の生活を見直したいと思いました。下記の環境省のホームページには「身近に取り組める海洋ごみ対策」も載っていますので、ぜひ見てみてください!

▼環境省「身近に取り組める海洋ごみ対策

http://www.env.go.jp/water/post_71.html

小さなプラスチック漂着ゴミ

「漂着ごみ実態把握調査」を見ていても、地域によって漂着ゴミの種類や割合は多少異なってくるようです。私たちが拠点としている神奈川エリアのビーチではビーチクリーン活動もよく行われていて、環境省の調査対象である漂着ゴミのサイズ(長さ2.5cm以上)のものは少ない日もあります。それより小さなサイズのものは、探そうと思わなくてもそこいら中にあります。私が幼少期に遊んでいたビーチとは、違う姿になってしまったと感じています。

神奈川エリアでビーチクリーンをしていると、砂に混ざっている小さなプラスチックで目立つものは、緑色の棒状のもの。これはおそらく「人工芝」だと思われます。一般社団法人ピリカの「マイクロプラスチック等の流出実態調査」を参考にすると、全国の河川や港湾・湖などの水域に流出したマイクロプラスチックのうち、個数ベース・質量ベースの両方で、最も多い製品が「人工芝」だそうです。独自の採取・分析方法でされている結果かもしれませんが、「人工芝」が多いことは、私の体感とも同じです。スポーツ観戦が大好きな私としては、この事実も大変ショックでした。

 

▼神奈川県の東浜(左)と由比ヶ浜(右)のビーチクリーンの写真

写真ではゴミがあまり多くないように見えますが、マイクロプラスチックは本当にたくさんあります。自分が排出するプラスチックを減らそうとすると日常生活を変えていかなければいけないので、生活を一緒にしている方と共通認識を持つために、一緒にビーチクリーンをすることもおすすめです!

漂着ゴミの種類-03

 

これから、オールビーチズでは、ビーチクリーンを通じてゴミの現状を体感しながら、仲間と一緒に私たちに何ができるのか、考えていきたいと思っています。チーム由比ヶ浜のメンバー募集は、あっという間に定員に達しました。これだけ多くの人が、海洋ゴミ問題に関心を持って、何かをしたいと思っていることに、とても嬉しい気持ちになりました!

 

オールビーチズ

佐藤佳奈

 

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